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2013年12月14日土曜日

ももクロの普通でないくらいの仲の良さと個性の強さの秘密はワゴン車かもしれない

2009年の5月から8月にかけて、ももいろクローバーは「ももいろTyphooooon!」というツアーを敢行した。週末1000円のETC割引を活用し、ワゴン車で移動しながら無料ライブをやり続けた全国ツアーだ。走行距離は1万2000キロに及んだという。

※参考:ヤマダ電機Presents ~ももいろクローバーJAPANツアー2009 ももいろTyphooooon!~

この過酷なツアーで精神力が鍛えられた、団結力が高まった。
もちろんその通りだ。でもそれだけではないことがわかってきた。
辛かったけど楽しかったんだ。

2011年の6月だったか、NHKラジオの番組に出演して、件のワゴン車ツアーについて語っていた。
6人のメンバーと2人のスタッフだけによる全国ツアー。ワゴン車で移動しワゴン車に泊まるという売れないロックバンドみたいなツアーだ。スーパー銭湯でもあればそのお風呂に入り、そのあとどうするのかというとワゴンに戻ってきてそこで眠ったりしたのだという。
荷物もあるためリクライニングシートを倒すこともできず、6人でぎゅうぎゅう。
最初は狭くて寝心地が悪かったけれど、慣れてくるとお互いの邪魔にならないような手足の伸ばし方がわかってきて快適になってきた。
それどころか、ワゴン車こそ、もっともリラックスできる場所になった。
だからその後も休憩となるとついついワゴン車に集まってしまうほどだったという。

ワゴン車で眠るメンバー達の姿を想像する。
互いのからだの感触や匂いを感じながら自分の位置を確認して、安心と快適をつかもうともがく少女たちの心細いような幸福そうな姿を。
私はこっちに足を伸ばすわ。じゃあ私はこっちと、グループ内で自分の位置を確認して伸ばす方向を決めることで、メンバー内のポジションが自ずと決まってくる。
一人ひとりが強烈なキャラを別々の方向に先鋭化しながらも、全体として緊密な調和が築かれるステージパフォーマンスは、あのワゴン車から生まれたのだろう。べたべたくっつきあい、キスしあうほどの過剰な親密さも。
「ももクロのワゴン車」からいろいろ学び取れるかな。家族や社会のあり方とか……。

つらいことがあったとき、「つらかったけれど楽しかった!」と言いたい。それもZ主義。

※「岐阜の朝」というYoutubeの動画があった。ワゴン車の中の寝起きのメンバーが映っている。有安杏果加入前だが、ワゴン車内の親密で穏やかな空気が感じられる。